メンデルスゾーンの旋律に胸を焦がし、バッハの構築美に心奪われた少年が、ブルースの即興性に魅せられ、ギターを抱えてシカゴの地に飛び込んだ。
25歳でようやく授かった一曲目。「届きやすい曲」よりも「納得のいく曲」を求めて、ひたすら手探りの日々。それは理想と現実を行き来する“月光荘”という家業の在り方と、どこか重なっていたのかもしれません。
歌詞の理想は、短歌のような凝縮と余白。騒がしく独りよがりだった若者が、少しずつ耳を澄まし、小さなステージを地道に重ね、今ここに立っています。
今年50歳。失敗も遠回りも数知れず。それでも音で、言葉で、仕事で、誰かに返していきたいと思うようになりました。
人生の半ばで、あらためて弓をピンと張る夜。史上最高の日比康造を銀座にてお届けします。ぜひとも遊びにいらしてください。お待ちしています。